薬剤師は離職率、転職率が高いと言われています。
薬剤師国家資格があり、何より慢性的な薬剤師不足であったため、すぐに転職できる状況が続いていたことも、転職率が高いと言われる要因の一つではないでしょうか。
何度も言いますが、そんな時代は終わりました。就職・転職も難しく、給料も低い!そんな時代がやってきました。
【薬剤師の現状と将来性。診療報酬改定・経済財政運営と改革の基本方針から推測】
離職の実態、原因を分析して自分にあった職場を見つけて、ネガティブな理由の離職をできる限り減らしていく必要があります。
もし、「自分に合わなければすぐ転職すれば良いや」という考えのもと、、、、
私は新卒時の就職は地元を遠く離れた職場を選びました。
薬剤師は過去の薬剤師の話から、考えが安易な人が多すぎる。むしろ、何も考えてない人が多いと感じます。(過去の自分も含め)
新卒病院就職、離職、コロナ禍での調剤薬局転職の経験で分かった事、薬剤師の現状と将来性 まとめ
離職理由、原因を分析して自分に照らし合わせて、転職時の職場選びの失敗を減らしましょう。
・薬剤師の離職状況(実態調査)、離職率と転職率は高い?
薬剤師は離職率、転職率が高いと言われています。その実態調査
以下、メディカルマーケティングプロモーションリサーチ「薬局経営者・経営幹部アンケート」より
保険薬局の47社を対象に「保険薬局の離職率実態調査」
調査期間 2010年9月27日 ~ 10月15日 調査サンプル数 47社(5店舗以下:18社 6-10店舗:7社 11-20店舗:7社 21-30店舗:5社 31店舗以上:10社)
離職率=2009年4月から2010年3月までの退職者数/2009年4月時点の勤務者数*100
入職率=2009年4月から2010年3月までの入職者数/2009年4月時点の勤務者数*100
職種・階層別(店長・薬剤師(パート除く)・パート薬剤師・受付事務(パート除く)の職種ごと)の実態と、入職率の実態
薬剤師の入職率は14%、離職率は9%で入職超過率(入職率-離職率)は5%と、入職者数が離職者数を上回る結果。
パート薬剤師の入職率が24%、離職率は21%で最も比率が高い結果。
3年以上勤務している従業員の割合は、全体平均で68%でした(保険薬局の全従業員が対象)
厚生労働省の平成21年雇用動向調査結果の概況によれば、主要産業の入職率は15.5%、離職率は16.4%である。
1.薬剤師職種・階層別での入職率、離職率
職種・階層 | 入職率 | 離職率 |
店長 | 6% | 9% |
薬剤師 | 14% | 9% |
パート薬剤師 | 24% | 21% |
受付事務 | 15% | 10% |
薬剤師全体 | 13% | 10% |
※薬剤師全体は、パート薬剤師数1人を正社員0.5人、店長1人を薬剤師1人に換算した合計
2.店舗規模別での入職率、離職率
店舗規模 | 入職率 | 離職率 |
5店舗以下 | 13% | 6% |
6−10店舗 | 16% | 14% |
11-20店舗 | 13% | 11% |
21-30店舗 | 10% | 8% |
31店舗以上 | 18% | 16% |
総計 | 14% | 10% |
3.店舗規模別での3年以上勤務割合
店舗規模 | 3年以上勤務割合 |
5店舗以下 | 70% |
6−10店舗 | 67% |
11-20店舗 | 73% |
21-30店舗 | 76% |
31店舗以上 | 58% |
全体 | 68% |
参考:メディカルマーケティングプロモーションリサーチ「薬局経営者・経営幹部アンケート」
・大学卒業後、3年以内に離職した人の割合は32.3%(厚生労働省より)
1年以内に離職している割合: 8.9%
2年以内に離職している割合: 10.3%
3年以内に離職している割合: 13.1% (計32.3%)
参考:厚生労働省が発表した「新規学卒就職者の在職期間別離職率の推移」
上記アンケート調査より
薬剤師の3年以上勤務割合は68%→3年以内には32%離職
全在職期間では他職種より、離職率は低いものの
新規学卒就職者の離職率は変わらない結果となっている。
以上の結果から
・薬剤師離職率と状況結果まとめ
- 薬剤師の離職率は高いと言われていたが、勤務薬剤師の離職率は低い(9%)
- パート薬剤師は転職が容易であり、離職率が高い(21%)
- 3年以内の離職率は多職種と変わらない(32%)
- 店舗規模が大きいと離職率が高い(31店舗以上が最多)
- 店舗規模でみると3年以上勤務割合は中規模薬局が高い(21-30店舗が最多)
職場選びに関しては、店舗規模での離職率や3年以上勤務割合が参考になるかも。
ひとまず数字での結果はここまでに
・薬剤師の離職理由や転職理由(原因)
どの業種でも言える離職理由としては、人間関係が多い。特に一般企業と比べ、調剤室、店舗ごとでの人の数が少ないので、人間関係が顕著に表面に出てくるかと思います。
そこで、解消法としては就職活動の際に店舗見学、病院見学で見極めるしかないと思います。そこの職場の若手(職歴の短い人)の話を聞いてみる等してみる事も一つの方法かもしれません。特に中堅の人の話が聞ければかなり参考になるかと思います。
・勤務時間・休日
・人間関係
・給与
・キャリアアップが望めない
1.病院の離職理由
圧倒的に多いのが給料の低さが原因での離職。臨床に触れられる事で当初は給料低くてもという考えがあっても、ライフステージの変化で離職する人が多いです。
勉強のためなら給料は低くてもOKではない!!
【人生設計】現役薬剤師が新卒で病院を選んだ理由と薬局転職の理由を解説
結婚、子供とライフステージの変化に伴い自分の価値観や理想も変わってきます。就職前にしっかりと、人生設計しておきましょう。
病院は閉鎖的な環境と言われる事も少なくないと思いますが、それこそ病院によります。多職種が在籍しており人数も多く、気が合う人と会う可能性は人数が少ない調剤薬局より高いと思います。多少嫌な人がいても他にも人が大勢いれば、大丈夫的な感覚ですかね。
【元病院薬剤師】病院に就職するなら、病院見学で業務内容を細かく見よう
他にも、ネガティブな離職理由としては
「当直が大変」というのも多いそうです。
2.調剤薬局の離職理由
上記実態調査でもある様に、店舗規模によっても離職率に差があり、離職理由も変わってきます。
まず、店舗規模が大きい調剤薬局では配属店舗が希望していた調剤薬局ではなかった等です。
店舗規模が小さい薬局では面接等でしっかり確認すれば回避できる可能性が高いです。
共通して言えることは、薬局の閉鎖空間での人間関係が原因になることが多いです。他には、日々の繰り返しのルーチンが退屈、キャリアアップが望めない等もあります。
繰り返しのルーチンは自分では何も考えないで、日々従事している事が要因の一つです。完璧な調剤薬局はないのだから、いかに良い薬局にしようか、事業戦略はどうするか考え行動する等で回避できる内容かと思います。
キャリアアップは就職活動時に会社としての事業戦略、事業拡大、ポストの状況等を把握しましょう。
3.ドラックストアの離職理由と離職率
1年目から年収600万等、給料面で希望する人に人気が高い。
会社・店舗によって異なるが、レジ打ち、市販薬、日用品、化粧品等がメインになることもあり、「薬剤師の仕事」のイメージとは違っていた。配属先の距離等で希望と合わない等が離職理由に多いようです。
ドラックストアは会社毎に大きく業務内容も異なるので、しっかりとリサーチしましょう。
他にも、ネガティブな離職理由としては
「サビ残が多い」などやはり労働内容が多いようです。
ドラッグストアは離職率の幅が広く、企業毎に大きく異なるので入職時には注意が必要です。
3−2.ドラッグストアの勤続年数から考える離職率と平均年収(2020 – 2021年)
順位 | 企業名 | 平均勤続年数 | 平均年収(万円) |
1 | ファルコHD | 32.4年 | 713 |
2 | ツルハHD | 16.3年 | 653 |
3 | クリエイトSDHD | 15.8年 | 1,154 |
・ | ・ | ・ | ・ |
17 | ココカラファイン | 4.8年 | 613 |
18 | ウエルシアHD | 3.9年 | 831 |
19 | クオールHD | 1.7年 | 718 |
ここまで離職率(勤続年数)が異なるのには、それなりの理由があります。
年収重視で就職する人が多いと言われるドラッグストアで
年収が高くても離職率が高い事や、年収は同じ程度でも勤続年数が30年以上違うのは
やはり、業務内容等での離職が多い事が考えられます。
・離職率が低く、定着率の高い職場の特徴
定着率の高い職場の特徴は離職の原因から考えられます。
・キャリアパスが明確にされている
・プライベートと仕事が両立出来る
・人間関係が良好
やはり、定着して長く働くためにはキャリアパスが明確にされている事は重要だと思います。
仕事のやりがいや挑戦などはキャリアパスで考えることが出来るでしょう。
そして、プライベートと両立出来ることで、日々のストレスがかなり軽減されるのではないでしょうか。
人間関係が離職理由に最も多く出てくる問題かと思われますが、就職活動時に自分でみるのはかなり難しいと思われます。そんな時は、転職サイトを利用して、その道のプロである転職コンサルタントに相談するのがおすすめです。
・薬剤師の就職難、求人倍率の上昇、売り手市場の終了?
診療報酬改定やコロナの影響もあり、地域によっては就職難なんて日もやってくかと思います。
特に、都心の求人倍率は上昇傾向です。
【経済財政運営と改⾰の基本⽅針(2021)から薬剤師関連の将来を推測】
1.求人・広告の宣伝に騙されるな、そんな年収は提示されない
よく薬剤師の求人広告を目にする
「年収700万円以上相談可能、土日祝休み、年間休日126日」
こんな求人広告を見て、安心していた自分がいました。
しかし、都心部でこのような条件が提示されるところはないでしょう。
調剤薬局での管理職以上の経験があるいわば超ベテラン薬剤師や地方の求人ならこの条件を提示してもらえるかもしれないですが、、、
転職活動時にかなり落胆しました。
コロナ禍での薬剤師転職活動の経験から分かった事や転職事情と年収の変化(2020.11)
・離職が少なく、定着出来る職場を見つける転職方法まとめ
・薬剤師の口コミサイトを見る
・積極的に見学に行く
・転職コンサルタントに相談
・薬剤師転職に特化した口コミのサイトがあるので登録して閲覧することも可能です。
・積極的に見学に行くことが重要です。患者としてでも就職活動としてでも実際に見学してみましょう。
・初めての就職・転職活動ではわからない事が多いと思います。
リクルート会社によっては、実際に店舗まで足を運び人間関係等まである程度把握している会社もあります。
ライフステージの変化での転職は、しっかりと人生設計をすることでネガティブな転職にならないと思います。
他2つは、リクルート会社に頼る事や口コミ、先輩等の話しを詳しく聞いてみる事で解決しましょう。
(リクルート会社は担当によって実力が大きく異なる場合があるので、少なくても2つ以上利用することがおすすめです)
【【コロナ禍】薬剤師がおすすめする転職サイト!離職率を減らす転職方法】
まとめ
正社員の薬剤師の離職率は他の職種と比べて、高いわけではありませんでした。
どの業種でも人間関係での離職が多く、薬局では顕著に現れる可能性があります。しっかりと店舗の見学や学校の先輩等から情報を得ましょう。
薬剤師に限らず、就職活動する前にまずは
ライフステージの変化を想像して人生設計、自分の中での仕事への価値観を考えましょう。
【現役薬剤師が新卒で病院を選んだ理由と薬局への転職理由を解説】
上記の離職理由や離職率から少しでもネガティブな離職を減らしてみてください。
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