現役薬剤師が坐薬の種類と正しい使用方法、良くある質問について解説

お薬関連

座薬は効き目が早い、口から服用出来ない場合でも使用可能などある反面

座薬が処方されたけど、使い方が分からない。前に使った事あるけど、使い方を忘れてしまった。

普段から使い慣れていないと、忘れてしまうのは当然です。

そして、思わぬ出来事も。
座薬の挿入後に出てしまった。
2種類以上の座薬を貰ったけど、どうすれば良いのだろう?

小児でもよく使うので、パパママも一度は困った事があるのではないでしょうか。

そんな座薬のメリット・デメリット、「こんな時どうしたら良い?」とよく質問される事を説明します。

現役薬剤師も実践~子どもに上手なお薬の飲ませ方【姿勢・心構え】~

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1.座薬の種類

・全身作用
・局所作用
目的により全身的に作用するものと、局所的に作用するものがあります。解熱剤、制吐剤、抗痙攣剤、鎮咳剤などは、全身作用を目的とし、痔疾用剤などは局所作用を目的として使用されます。

・油脂性基材
・水溶性基材
その中でも、主成分ではない座薬の基材(構成成分)の違いでも分ける事が出来ます。
この基材の違いにより、2剤以上処方された時の座薬の間隔が変わってきます。
後述記載

2.座薬のメリット・デメリット

2-1坐薬のメリット

・直接血液中に吸収されるため、肝臓で分解を受けず薬の効きが早い
・内服薬に比べて胃腸障害が少ない
・体調によって内服ができない時も使用できる
・食事の影響を受けにくい
・吐き気や嘔吐、痙攣などの症状があっても使用できる
・味やにおいの悪い薬剤の使用に適している

2-2坐薬のデメリット 

・1日に何回も投与するような薬剤は適さない
・下痢症状を伴う場合には使用できない
・直腸粘膜を刺激し排便を促し、薬剤が吸収される前に排泄してしまう事がある
・持ち歩き時に基剤が軟化してしまう薬剤もある。
・1個の薬剤含有量が決まっているため、薬剤投与量の微調整が難しい

3.こんな時どうした良いの?

3-1.使用が0.6個、0.8個など微調整する場合

ハサミで切って問題ありません。普通に切っちゃって下さい。

ただ、使用するのは、挿入する頭の方を使って下さい。

3-2.坐薬が挿入後に出てしまった場合

挿入直後で形が残っている場合、再度挿入できます。

10 分以上たってから出てきた場合、溶けて吸収されている可能性もあるので様子をみて時間あけて下さい。

坐薬が出ないように挿入後20~30分くらいは歩行や激しい運動を避け安静に。
小児では挿入後、4~5秒程度抑えてあげてください。

3-3.2種類以上の坐薬がある場合

坐薬の基材によって使い分ける。

坐薬には油脂性基材と、水溶性基材があり、基本は水溶性基材を先に、その後30分おいてから油脂性基材を挿入。
同じ基材の場合は、5分程度時間をあければOK。

効能効果薬品名性質
解熱鎮痛薬カロナール坐剤油脂性
解熱鎮痛薬ジクロフェナク坐剤油脂性
下剤新レシカルボン坐剤油脂性
消化管運動改善薬(吐き気止め)ナウゼリン坐剤水溶性
抗痙攣薬ダイアップ坐剤水溶性
鎮痛薬アンペック坐剤油脂性

*熱性けいれんの再発予防時
『熱性けいれんの再発予防のダイアップ&解熱剤のカロナール』
ダイアップは水溶性基剤であり、カロナールは油脂性の基剤を使用しています。
これらを同時に使用すると、一度溶解した脂溶性のジアゼパムがカロナールの油脂性基剤に一部取り込まれ、けいれんの予防に重要な初期血中濃度の上昇が阻害され、有効血中濃度に達するのに時間がかかってしまいます。
ダイアップを使用してから有効血中濃度に達するまでの時間は15~30分なので、ダイアップ坐薬の使用後、30 分の間隔をあけてカロナール坐薬を使用することでこれを回避できるといわれています。

まとめ

座薬にも種類や使い方があります。上記のように薬が効かなくなってしまう場合も。

分からない場合はしっかりと、薬を貰うときに聞いておきましょう。

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