吸入薬は喘息の人にとって大事な薬。
夏は発作が落ち着く季節ではありますが、乾燥してくる秋に向けて発作も増えてコントロールが難しくなってきます。
小児から高齢者まで使う吸入薬、種類によって使い方や注意点が異なります。
今回は3種類のデバイスでの吸入の仕方に注目して、まとめてみました。
外部リンク)正しい吸入方法を身につけよう
①pMDI:pressurized Metered Dose Inhaler(加圧噴霧式定量吸入器)
ボンベ式の薬剤を押すことで霧状の薬剤が勢いよくでるタイプ
デバイスの特徴
- 押す動作と吸う動作を合わせる必要がある
- 吸入力は不要
- 吸入時ボンベを押す力が必要
補助器具
- スペーサー(有料)・・・吸入動作が合わせられない患者(筒状の器具にエアロゾルを充填させることで通常の呼吸で吸入可能)
- グリップ(無料)・・・ボンベを押す力がない患者(持ちやすく、通常より弱い力で使用可能)
②DPI:Dry Powder Inhaler(ドライパウダー定量吸入器)
粉状の薬剤を自分で吸い込むタイプ
デバイスの特徴
- 吸入力が必要 ⇒必要吸気速度は30-35L/min(吸気速度目安:そばがすすれる⇒吸気速度は60L/min程度はある)
- 吸入準備が必要
補助器具
- グリップ(無料)・・・セット時に回すことが難しい患者(タービュヘイラーのみ対応)
③SMI:Soft Mist Inhaler(ソフトミスト定量吸入器)
デバイスボタンを押すと霧状の薬剤がゆっくりとでるタイプ
デバイスの特徴
- 吸入力は不要
- ボトルセット、吸入準備に力が必要
- 吸入準備が必要
補助器具
- グリップ(無料)・・・吸入セット時の回転させる動作を補助
吸入薬の使用方法の比較
吸入の速度
ミストタイプ(pMDI・SMI)は強く早く吸えばいいわけではない!
20L/minと60L/minでは20L/minの方が肺への到達率は高くなります。
そのため3秒以上かけてゆっくりと吸いこむことが大事です。
粉タイプ(DPI)は強く吸わなければ肺までいかない!
すばやく強く吸うことでエアゾル化し肺まで到達しやすくなります。
製剤によって異なりますが、20~40L/min程度は必要であり、60L/min以上あれば安心です。
吸気流速の測定は専用機器が必要となりますが、目安としてそばがすすれるならOK
60L/min程度はあると考えられます。
まとめ
吸入薬はデバイスによって使用方法が異なります。それに合わせて患者毎に使い分けをしていきます。
近年では手技が簡易的になっているデバイスも出ているので、そちらは別記事で作成予定です。
吸入薬では小児などでも使用可能となる補助器具も販売されています。
この吸入は自分に合わないと感じたらお近くの薬剤師さんに相談してみて下さい。
そして、自分では出来ていると思っていても実はしっかりと吸入出来ていない場合もあります。
長期で使用している方もたまには薬剤師さんに確認して貰うのもよいかと思います。
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