妻に「成分男」と言わしめた薬チです。
何故、成分男と言われてしまったのか。
食べ物や健康食品的な物を買う時に、薬剤師なら気になる成分表
どうしても成分表をまじまじとみてしまう。。。
宣伝的な表パッケージは一切見ないのに、商品を見るのが長い!!
その時、薬剤師は何を見て、何を考えてその商品を評価しているのか。
紹介(言い訳)をしようと思います。
1.薬剤師は成分表で何をみている?そして、何を考えてる?
ズバリ、含有成分と含有量を見てる!
なんだ普通だと思われるかもしれませんが、薬剤師の知識を活かす場面。
まず、栄養にはそれぞれ必要量や推奨量等の目安があります(食事摂取基準表)。
一言に含有成分と含有量と言っても、栄養成分は多種類あり吸収の仕方や必要量は異なる。そこを熟考しています。
例えば(架空の商品)
1粒でレモン〜個分のビタミンC含有
「ビタミンC:1000mg/粒」という商品があったとします。
確実に買わないと思います。(値段が安く、量が多ければ考えるが、、)
理由は簡単
ビタミンCの消化管での吸収は容量依存的で量をいくら摂取しても吸収に飽和が起こり、ほとんどが尿中に排出されるだけとなってしまう。
30~180 mg/回の適度な摂取量では、その約70%~90%が吸収されるが、1000mg/回を超えると吸収は50%未満に低下する研究データもある。
つまり、1粒にそんなにビタミンCが含有してても意味ないよねって話しになります。
(値段が異常に安ければ、ビタミンCが過剰に含有していても、ほとんど吸収されないし、吸収されても有害事象もほとんどないため、ビタミンCに限っては購入も考えてしまうが、、)
2.パッケージの広告はほぼ見ない。何故、表面のパッケージ広告はあまり見ない?
そして表のパッケージをほとんど見ない理由
パッケージの宣伝には食品衛生法?JAS法?で制限があります。効能効果や誇大広告に当たる文言等、色々と制限が掛かってます。
制限にひっかからず、誇大広告にもならない謳い文句として
よく見かけるものは例えば
「レモン~個分のビタミンC含有」、「キャベツ~個分の食物繊維含有」等があります。
しかし、ここで考えなければいけない事が
イメージ的にはいっぱい含有してそうだけど、ほんとにそれって多いの?という事。
上記の例から考えると
レモン1個の実の部分にビタミンCは約25mgしか入っていません。
(ちなみに赤ピーマン1個は175mg)
レモンってビタミンCがいっぱい含有されているイメージなので、10個分、20個分とか言われたら「おービタミンCいっぱい入ってそう」と思ってしまいます。
また
キャベツ1個(約1200g)に食物繊維は約21.6g入っています。
たしかに「キャベツ1個食べるのは大変!!それが、こんな一粒に入っているなんてすごい」と思ってしまいそうです。
しかし、なんと
椎茸(大)1個には食物繊維が38g入っているのです。
(食物繊維の摂取目安量は18〜64歳の男性で21g以上、女性で18g以上(厚生労働省策定「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より))
食物繊維だけでみたら、キャベツ1個≒椎茸0.55個分
パッケージに「椎茸0.5個分の食物繊維含有!!」なんて書かれても
少なそうーとしか思わないですよね。でも食物繊維の含有量は同じです。
必要量や推奨量が分かれば、表の広告なんて見なくても
ある程度は裏の成分表を見れば、含有量が多いのか少ないのか分かるのです。
まとめ
成分表をまじまじと見るのには理由があるんです。
必要量、吸収等を考えれば、成分表を見ればその商品の良し悪しが大体分かります。そのうえで他の商品と比較すればOKなのです。
栄養であれば「食事摂取基準」とググればすぐに調べられると思います。広告に騙されない買い物をしてみましょう。
これが、わたくし成分男の言い訳でした。
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