簡単そうな目薬ではありますが
意外と知らない2種類以上使う場合などの順番や正しい使用方法
コンタクトは大丈夫?などの疑問も多くあると思います。
そんな目薬について紹介します。
目薬の流れ
目薬をさすと、目薬は目の表面にある涙と混じり合います。涙は絶えず涙腺から出て、目の表面を潤したり埃などを洗い流したりし、その涙はまばたきによって目頭の方へ集まって、涙点・鼻涙管を通ってのどの方へと流れていきます。このため、目薬も涙と一緒にのどの方へと流れていき、のどの奥で薬を感じることがあります。
点眼薬の使用方法
①点眼に際しては仰向けに寝て、目をあけて結膜嚢内に点眼し、1~5分目を閉じて目頭部を圧迫させてから目をあけて下さい。
※確実に点眼でき、薬液がただちに涙の流れにそって流れ出ないため効果が強くなり安全性が高まります。
②目から流れ出た点眼液(余分な眼軟膏)は清潔なティッシュペーパー等で拭き取って下さい。
※流れ出た点眼液が眼瞼炎等の原因となる場合があります。
1回の点眼量
点眼液の1滴量は30~40μL。それに対して、結膜嚢内の最大保持能力は約30μLであり、結膜嚢常在の涙液量は約7μLです。従って、点眼時には『1滴/回』を確実に滴下して下さい。1滴以上点眼すると眼瞼からあふれた点眼液が鼻涙管を介して消化管へ向かい、消化吸収により全身的副作用が問題になる場合もあります。
2種類以上の点眼薬を使用する場合の注意点
【投与間隔】点眼液は1~2分の内に速やかに結膜嚢から排泄され点眼間隔が5分以上では相互の影響はほとんどなくなります。従って、2種類以上の点眼薬を使用する場合は、「5分以上間隔をあける」ことが望ましいです。
【投与順序】原則として点眼間隔が5分以上あいていれば相互の影響はほとんどなくなりますが、点眼した液が後の液によって多少とも洗い出される可能性があります。従って、より効果を発揮してほしい点眼液を後で点眼します。しかし、懸濁性点眼液(水に溶けにくく、吸収されにくい)や油性点眼液および眼軟膏(疎水性で効果が長い)は最後に用いる方が望ましいです。
≪投与順序例:水溶性点眼液⇒懸濁性点眼液⇒油性点眼液⇒眼軟膏≫
コンタクトレンズ装着中の点眼薬の問題点
- 点眼薬中の防腐剤の角膜への影響:
防腐剤として、「塩化ベンザルコニウム」がよく使われています。その濃度と角膜への接触時間に関連して角膜障害が引き起こされやすいとされています。
基本的には、通常のまばたきをしていれば涙で流されるため問題ないと考えられます。ですが、長期使用では角膜に対する影響が大きいといわれています。 - 点眼薬の成分の角膜への影響:
市販の点眼剤は充血を改善する血管収縮剤を含むものが多いです。コンタクトレンズ装着によって酸素が不足しがちな部分は、このような薬を点眼することで酸素不足が助長されるおそれがあります。 - コンタクトレンズへの防腐剤の影響:
防腐剤はコンタクトレンズに吸着されやすく、角膜への接触時間が長くなることで角膜への影響が考えられます。レンズの変形・白濁や変色する可能性があります。
どんな点眼薬だったらコンタクトをつけていても大丈夫?
- 一回使い切りタイプの点眼薬:
例)ヒアレインミニ点眼液、ムコスタ点眼液UD - PF点眼液:
PFとは、preservative free = 防腐剤フリー。点眼薬の名称に「PF」がついているものが対象です。微生物汚染を防ぐためにデラミ容器という特殊な容器を使用しているため防腐剤フリーで使用されています。 - アレジオンLX0.1%点眼液:
抗アレルギー点眼液で唯一、防腐剤が含まれていません。日本薬局方における微生物学的な試験(保存効力試験)を通過しています。 アレジオン点眼液の有効成分であるエピナスチン濃度が微生物、菌の繁殖に関与している可能性があると考えられているそうです。
など他にも多数あります。コンタクトレンズ使用の方は一度、確認してみて下さい。
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